船津胎内樹型
国指定 天然記念物
船津胎内樹型は富士山世界遺産構成資産の一つとなっています。胎内樹型とは「溶岩樹型」の別称で、溶岩樹型の内部が人間の胎内に似ていることからそのように呼ばれ、また信仰の対象ともなりました。
船津胎内で胎内潜を行うと、一度母親の母体に戻り生まれ変わって心身ともに清らかになることができるとされ、富士山に登る前に心身を清めるために多くの人が訪れました。
溶岩樹型にはその成り立ちによりいろいろな種類の「型」がありますが、船津胎内樹型は横臥(おうが)型が幾つも組み合わさってできた樹型で、少なくとも5本の溶岩樹型が繋がってできた複合溶岩樹型となります。
この洞穴は全長が約68mで、歩いて通る「胎内巡り」を体験することができます。入口には無戸室浅間神社が建立されており、拝殿の後ろから洞穴に入ることができます。
洞穴の公開は月曜日(祝日は公開)を除く毎日9:00~17:00で、6~8月は無休です。拝観料として大人200円、小人100円が必要です。
船津胎内溶岩洞穴群
「溶岩樹型」とは、森林に流れ込んだ溶岩流に樹木がのみ込まれ、その後溶岩が固まる時に樹木が焼失しその型を残して空洞化した洞穴です。船津胎内溶岩洞穴群はこの「溶岩樹型」の密集地で、樹型の大きさや個数(大小100以上)は全国に類をみない規模と言われています。
溶岩樹型の種類
1.横臥型
倒れていた樹木が溶岩流の中に取り込まれたり、樹木が押し倒されてできたもの。
2.井戸型(縦穴)
立木がそのままのみ込まれてできたもの。胎内洞穴の周囲に点在している「縦穴樹型」は胎内洞穴と共に非常に珍しく、ハワイ島とこの富士山麓に発見されているだけで、世界的にも有名で地質学上でも重要な場所です。
3.石柱型
井戸型の樹型の上部から表面が低下してできたもの。
4.傾斜型
溶岩流の圧力で木が押し倒されそうになり、そのまま傾斜した形で固まってできたもの。
5.流木型
溶岩でなぎ倒された樹木が溶岩流の上を転がり流れるとき、樹木に貼り付いた溶岩が途中で冷えて固まってできたパイプ状のもの。
国指定記念物
昭和4年12月17日指定
溶岩樹型は、噴出した溶岩が樹木を囲み固まったもので、その中は樹幹の形がみられ、剣丸尾の溶岩流に最も多い。
船津胎内樹型もその一つで、延長18メートルほどの樹型(通称父の胎内)と二本の樹幹が相連なった樹型(通称母の胎内)とを中心に、数本の樹型が複雑に交差した貴重な樹型で、総延長約68メートルある。
天井には溶岩鍾乳石が群生し、側壁の溶岩は肋骨状を示し、その上溶岩は鉄分のため赤色を帯び、あたかも内蔵を摘出したあとの胸腔の様にみえるため、胎内の名称がある。
この本穴の他、当地区には大小43個以上の樹型が存在する。
Panorama
Map
富士河口湖町船津6603