富士山の【登山規制や入山料】に関するまとめ
富士山の吉田口登山道におきまして、2024年度からあらたな登山規制が設けられます。そのため、状況によっては当日富士山5合目に行ったとしても、その先に入山できないこともあります。
弾丸登山をはじめ、ルール無用で周りに迷惑をかける登山客が多くなっている中、賢明な判断だと思います。この規制により、少しでもトラブルのないゴミのないきれいな富士山となることを心から願っております。
山梨県から骨子がアナウンスされておりますが、これから始まる規制なのでまだまだ不明瞭な部分も多くあります。2024年5月20日時点の内容をまとめます。
決まっていること
- 吉田ルート五合目の登山道入口にゲートを設置します
- 午後4時~翌日午前3時の時間帯は登下山道を閉鎖します(午前3時~午後4時まで入山が可能)
- 入山者が一日当たり4,000人を超える場合に登下山道を閉鎖します
- 登下山道の使用料として1人につき2,000円(必須) + *富士山保全協力金1,000円(任意)
- 山小屋に宿泊予約済みの場合は、登下山道の閉鎖時間でも通行可能です
- 事前予約は3,000人まで、当日の現地枠として1,000人分
- 登山日前日の午後11時59分まで予約が可能で、通行料2000円をクレジットカードやQR決済で事前決済が必要(※変更・キャンセルで返金されません)
- 代表者1回の処理で、最大100人分(20万円)の一括決済が可能
*富士山保全協力金は富士山の安全保全のために必要なお金です。ぜひ協力しましょう。協力金と引き換えにもらえる木札はとても記念になります。
決まっているが、細部が未定のこと
- 登下山道の通行に関わる事前予約システムができる予定です
2024年5月20日より予約受付開始 - 山小屋への予約が正式にされていると証明する方法
懸念点
- 入山者数の上限が高いが問題ないか
規制の目的が「時間を制限する」「入山料を徴収する」ことであれば特に問題ないが、混雑緩和とはならないかもしれません。そもそも入山自体を規制することは法的に難しいため、この上限に定められています。 - 事前予約者が当日入山をしなかった場合はどうなるのか
事前決済をするので、特に不正が発生することはないですね。 - 山小屋の予約証明が未定ですが、山小屋への負担をかけられない中でどう運営するか
電話予約のみの山小屋もあり、シンプルな統一システムが必要か
(オフィシャルサイトより)山小屋予約時の予約完了メールなどを見せていただきます。印刷してお持ちいただくか、オフライン状態でも提示できるよう、事前にスクリーンショットなどで携帯端末に保管していただきますようよろしくお願いいたします。
電話予約のみの山小屋に関しては? - 海外への周知がどこまでできるか
細部までの決定も含め、早ければ早いほどいいですね
関連情報やデータ
昨年2023年の吉田口からの登山者数は、7月1日~9月10日13万7,236人(1日平均1,906人)、1日の最高人数は2023年7月16日で3,974人なので、それほど1日上限の4,000人を超える想定はしていないと思います。
ただし、2019年の1日の最大人数は5,033人(全体では14万9,969人、1日平均2,079人)なので、さらに訪日外国人が増えた場合は上限を超える可能性が高くなります。参照:2023年夏期の富士山登山者数について
ちなみに4,000人の基準としましては、山梨県からの報道発表として
富士山が世界文化遺産として登録された際にイコモスから、登山の安全性や快適性を確保するために「来訪者管理計画」の策定を求められたところです。
この中で、1日の登山者が4,000人を超える場合には、深夜の山頂付近の登山道が混雑しまして、登山者同士のストックやザックがぶつかって転倒を招く恐れがあるというところがあります。この危険性のある4,000人というのを一つの判断基準としております。
山梨県
また、麓から富士山に登る場合はこのゲートを通過しませんので、通行料は徴収されません。
麓からの登山者に関しましては、この通行料は関係ありません
山梨県知事