河口浅間神社
富士山信仰の対象と芸術の源泉の構成資産の一部として、世界文化遺産に登録されています。864年に起こった富士山の噴火を鎮めるために建立されました。「七本杉(ひちほんすぎ)」と呼ばれる7本のスギの御神木があり、広く知られています。これらの杉はいずれも樹齢1,200年に及ぶ巨木で、山梨県指定の天然記念物になっています。
表参道には約18メートルの大鳥居を供え、根廻りが7メートルの杉並木の参道があります。この杉並木は、富士河口湖町指定の天然記念物です。参道中央には波多志神社を称えて奉っています。
境内地は七本杉をはじめとし、大木(杉、檜、栂[つが]、欅[けやき]、樅[もみ]、松、栃、など)が百本以上もあり、荘厳で厳粛な雰囲気があります。この中でも特に大きく樹齢800年を超える樅の木と栃の木が富士河口湖町の天然記念物に指定されています。
母の白滝神社や産屋ヶ崎神社は、河口浅間神社の末社となります。
河口浅間神社 紹介動画
河口浅間神社本殿と「大元霊の御額」
富士河口湖町指定 有形文化財
拝殿奥に見える、朱色の社殿が河口浅間神社の本殿です。また、本殿正面に掲額されている「大元霊(おおもとだま)」の額は、醍醐天皇の直筆で、本殿とともに富士河口湖町の有形文化財に指定されています。
孫見祭りと稚児の舞
毎年4月25日に行われる例大祭で、山梨県指定の無形文化財である「稚児の舞」が奉納されます。「稚児の舞」は、富士山の噴火や地震などの災害を鎮める伝統の舞です。災害を押さえるのではなく、神様が和み穏やかになって欲しいと祈願する舞です。小学生の少女たちによって演じられる神事芸能で、神楽の巫女舞の系統となる採物舞(とりものまい)です。
「稚児の舞」が奉納されると、神主や神輿の行列が産屋ヶ崎神社までの道をねり歩きます。
太々御神楽祭
毎年7月28日に行われる太々御神楽祭(だいだいおかぐらさい)でも「稚児の舞」が奉納されます。舞いは全部で5番立ですが、4月に行われる孫見祭りでは前半の3番のみが奉納され、7月の太々御神楽祭では5番全てを午前から夕方にかけて奉納します。
- 御幣(ごへい)の舞 – 2人または3人舞。御幣を採物にする。
- 扇の舞 – 2人または3人舞。採物は扇。
- 剣(つるぎ)の舞 – 1人舞。採物は剣。
- 八方(はっぽう)の舞 – 2人舞。採物は御幣。最も複雑な動きを見せ、八方向を清める舞。
- 宮めぐりの舞 – 8人舞。採物は扇。拝殿から本殿前にかけてを3廻りし、本殿前の浜床に並んで舞い納める。
稚児の舞奉納の祭典
この祭りは貞観六年の大噴火の際、穢れ(けがれ)を知らぬ童女の稚児達が浅間様の荒神霊をお慰めしたもので、古くからのしきたりに則り舞を奉納します。氏子の中で、両親の健在な七、八歳の童女で衣装は白衣の上に緋の千早(ひのちはや)、差祓(さしぬき)をまとい、上には錦織の陣羽織、緋の襷(ひのたすき)を懸け、頭には誠を捧げる意味の熨斗紙(のしがみ)を着し、舞瓔珞(まいようらく)をかぶります。
演目を通じてすり足を基本としますが、前後左右に移動するときは様式化された足の動きをするのが特徴です。使われる楽器は「鋲打ち太鼓」「カッコ(締太鼓)」「笛」となります。
御由緒
例大祭:4月25日(孫見祭)
太々御神楽祭:7月28日
人皇第五十六代清和天皇の御宇、貞観六年(864年)五月富士山大噴火の事あり、富士山北面に在った大湖、剗の海(現在の青木ヶ原流域)埋没す。この様な大噴火の為、時の住民は甚大な災害を被く。此の事、甲斐の国司、橘ノ末茂公より朝廷に奏上、翌貞観七年十二月九日丙辰の勅命により、富士山の神、浅間明神を此の地に奉斎、擬の大領-無位伴直真貞公を祝に、同郡の人伴秋吉公を禰宜に任じ、富士山噴火の鎮祭を行う。これ当神社の御創祀である。延喜の制により名神大社に列せられる。
身曽岐祭
身曽岐(みそぎ)とは心身ともに洗い清めることで、大祓の行事です。同日8月5日に行われる河口湖湖上祭の起源となっている祭事で、古くは毎年旧暦の6月30日に行われていました。産屋ヶ崎にて神事の後、氏子の幸せを祈願し身曽岐は湖に流されます。身曽岐祭は御筒粥の神事とともに特殊神事として古い伝統に基づいて執り行われています。元は富士山信仰の道者の来訪時期に合わせ、富士登山前の身の清めとして行われたと考えられており、富士山と地域の結びつきがうかがえます。
祭事の様子
七本杉(ひちほんすぎ)
社殿周辺にある7本のスギの神木は、1958年に山梨県指定天然記念物となりました。
父母(ふたはしら)は、「縁結びの杉」とも言われています。
天空の鳥居
2019年、富士山の遥拝(ようはい)所として、新たに高台の山林が整備されました。
神社に入る前に、手を浄(きよ)めます
手水の作法
- 右手で柄杓を持ち、まず左手を洗います。
- 次に左手で柄杓を持ち、右手を洗います。
- 左手の手のひらに水を受け、その水を口に含んで口をすすぎます。柄杓に口をつけてはいけません。
- 口をつけた左手をもう一度洗います。
- 最後に残った水で柄杓の柄を洗います。
- 柄杓を元の位置に戻します。
参拝所とお賽銭
参拝の作法
- お賽銭を投げ入れ鐘をならします。
- 腰が90度になるまで二度深々と頭を下げます(拝礼)。
- 胸の高さで手を二回打ちます。この時に願い事やお礼を唱えます。
- 再度、拝礼します。
- 神拝詞を心で3回唱えます。「祓い給い、清め給え。守り給い、幸え給え。」
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富士河口湖町河口1